天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!
「はい――精霊王様。理解いたしました――心から」

 父はミリエラを抱えたまま丁寧に頭を下げた。

「ありがと、エリアス!」

『僕達、頑張ったよねぇ』

 みゃあみゃあみゃあ。

 風の精霊猫達が一斉に鳴き声をあげる。そう言えば、どうして彼らは猫の姿なのだろう――エリアスもそうだ。いずれ、聞いてみようと思う。

「なに、たいしたことじゃないさ――ミリエラ」

 そっとエリアスは鼻先でミリエラの頬を押す。それから、父には聞こえないよう小声でささやいてきた。

「今回は貸しひとつ、だぞ。ジェラルドには自信が必要だからな」

「わかった。ありがと」

 気まぐれなようでいて、風の精霊王はとても心が広いらしい。あえてジェラルドの到着を待ったようだ。ジェラルドに自信をつけさせるために。
 もしかしたら、ミリエラが拉致されるのも黙って見ていたのかも。まあ、そのあたりを追求するのは野暮というものだ。

 エリアスは、配下の精霊達を引き連れ、ふわりと姿を消す。

 その時、ようやく宮中の警護をしている騎士達が駆けつけてくる気配がした。

 

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