天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!
 本来なら世界で一番安全な場所であるはずの王宮。そこでミリエラが攫われたことに、ジェラルドは非常な憤りを覚えているようだ。だが、その責任はカークにはないのだと、全力で伝えようとしている。

 唇をぎゅっと引き結んでいるものの、瞳には強い力が宿っている。

 いつもは穏やかににこにことしている人だからこそ、そうしている様子は少しばかり怖い。

「カーク、ミリィ、すっごく怖かった」

 実際にはそこまで怖くなかったけれど、カークの方にそう手を伸ばして言ってみる。エリアスもカークがここまで責任感を覚えるとは想像できなかったのだろう。ならば、ここはミリエラがフォローしてやらなければ。

「だから、今日は寝るまで側にいてね」

「そんなことでいいのか?」

「うん!」

 カークの手をしっかりと握りしめる。カークも、ミリエラの手を握り返してきた。

 結局、夜寝るまで、カークはミリエラにほぼべったりだった。

 寝る時も、部屋まで手を繋いで一緒に行ったし、ベッドに入ったら、ぽんぽんと頭を撫でてくれる。

 そうすることで彼は安心したようだからこれでよかったのだろう。

 

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