天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!
『ねえ、私達の間に生まれる子供が娘だったなら――ミリエラと名づけましょうよ。私達からの、最初の贈り物よ』

 名前は、親が子供に贈る最初のプレゼント。ふたりの好きな花の名。そして、花言葉は、ジェラルドが一番必要とするもの。娘に与えたいものであった。

 けれど、アウレリアはミリエラの名を呼ぶことなく逝ってしまった。

 そして、五年もの間、使用人さえ通さなかったこの部屋にミリエラを呼び入れた。

 ニコラが言っていたミリエラの好きなジャムタルト。イチゴのジャムとプラムのジャムと二種類。そして、紅茶はみずからの手でいれる。

 ――アウレリアの姿を見せたら、この娘はどんな感想を口にするのだろう。

 ミリエラは、ジェラルドが知っている子供達より、いくぶん大人びているようだ。その分、彼女の心に傷をつけるようなことになったなら。

『ねえ、私達の子供は、どんな大人になるのかしら? 私とあなたみたいに、素敵な恋をしたらいいわね』

 大きくなったお腹を押さえながら、こちらを向いているアウレリアが笑う。それから映し出されるのは、もう少し若い頃。

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