天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!
「――精霊王様が、君は大丈夫だからと言ってくれたんだ。今さら、虫のいい話なのはわかっている。それでも……」

 自分は不幸を呼ぶからと、周囲の人皆を遠ざけてきた父。

 その父がこうしてミリエラに会いに来て、一緒に暮らそうと誘ってくれる。これで、十分ではないだろうか。

「ニコラとオーランドとカークも一緒?」

 彼女達は別館に残るという話だったら、どうしよう。ジェラルドと暮らせるのは嬉しいけれど、乳母家族と別れるのは嫌だ。

「もちろん、ニコラ達にも一緒に来てもらおう。ミリエラのことについては、彼女達の方が詳しい――彼女達には、教わらないといけないことがたくさんあるな」

 ミリエラが提案を受け入れたことに、ジェラルドは大きく息をついた。
ここに来るのに、どれだけの勇気を必要としたのだろう。愛おしさが溢れそうになり、ミリエラはジェラルドに両手を広げてねだる。

「――パパ、抱っこ」

 身体に回されたジェラルドの腕は、とても温かかった。

 くすん、と鼻を鳴らす音がして、そちらに目を向ける。寝ているはずのエリアスが、目元を前足でぬぐって視線を逸らすところだった。

 

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