あやかし戦記 見えない糸
「ヴィンセントさん、おはようございます。本日はよろしくお願いします」
アリスに声をかけられ、ヴィンセントは顔を上げる。アリスは制服であるワンピースの上に長いコートを羽織り、フードをかぶっている。そして手には大きな袋に入った荷物を持っていた。
「それを今回、隣国へ運ぶんですね。よかったら僕が待ちますよ」
「いいんですか?ありがとうございます」
荷物を受け取ると、ヴィンセントの腕にずっしりと重さが伝わってくる。この袋の中には、貴重な書物やまじないに使う道具が入っているとアリスに説明された。
「それでは行きましょうか」
黒い毛並みの馬に乗ったアリスが言い、同じく馬に跨ったヴィンセントも「はい」と頷く。二人は馬を走らせ、隣国へと続く山を目指す。
車や列車という交通機関があるというのに何故馬に乗って行くのか、そう思う人も多いだろう。
イヅナたちが暮らすこの国は、多くの国の貿易し、経済などが成長し、暮らしを豊かにするための発明が次々とされている。言わば先進国だ。しかし、全ての国が豊かで発展しているわけではない。
アリスに声をかけられ、ヴィンセントは顔を上げる。アリスは制服であるワンピースの上に長いコートを羽織り、フードをかぶっている。そして手には大きな袋に入った荷物を持っていた。
「それを今回、隣国へ運ぶんですね。よかったら僕が待ちますよ」
「いいんですか?ありがとうございます」
荷物を受け取ると、ヴィンセントの腕にずっしりと重さが伝わってくる。この袋の中には、貴重な書物やまじないに使う道具が入っているとアリスに説明された。
「それでは行きましょうか」
黒い毛並みの馬に乗ったアリスが言い、同じく馬に跨ったヴィンセントも「はい」と頷く。二人は馬を走らせ、隣国へと続く山を目指す。
車や列車という交通機関があるというのに何故馬に乗って行くのか、そう思う人も多いだろう。
イヅナたちが暮らすこの国は、多くの国の貿易し、経済などが成長し、暮らしを豊かにするための発明が次々とされている。言わば先進国だ。しかし、全ての国が豊かで発展しているわけではない。