惚れ薬を飲んだせっかち男爵はとにかく今すぐ結婚したい
 真っ直ぐ続く廊下の先は、一際(ひときわ)大きく立派な扉があり、その前には純白のタキシードを着たルーカスが立っていた。
 
 ルーカスは私を見た瞬間、目を見開き、頬を赤らめ見惚れているかの様に、ただ私を見つめている。
 だけど、それは私も同じだった。

 ・・・もうね・・・控えめに言って格好良すぎる・・・。
 スタイル抜群だし、なんだかキラキラしているし、一体どこの王子様なの!?
 いや、目の前に本物の皇子様がいるんだけど・・・

「ルーカスの方が100倍くらい格好良いと思う!!」

「うーんエリーゼ嬢・・・それは一体誰と比較してるのかな・・・?」

 はっ!!!しまった・・・!思わず口に出てた!!

 ジルさんは先程から変わらない笑顔を見せているけど、逆に何考えてるか分からなくて怖い・・・。

 ルーカスは嬉しそうに顔を赤らめたまま、とろけそうな笑みを私に向けた。

「エリーゼこそ・・・凄く綺麗だ・・・。やはり君は俺の女神だったんだな・・・」

 め・・・めがみ・・・?

 ルーカスは両手を開いて私の前まで歩み寄ると、そのまま力強く体を抱きしめられた。
 抱き締められる事にはまだ慣れていない・・・けど・・・ルーカスの腕の中心地よかった。
 その時、ルーカスの顔が私の首元に触れたのが分かった・・・って・・・あ、ちょっと!?

「はい、ストップー」

 その唇が私の首に触れる直前、ジルさんが両手でガシッとルーカスの頭を掴んだ。

「貴様・・・なんの真似だ」

「エリーゼ嬢がせっかく綺麗なドレス姿をしてるのにさ、君の所有欲のキスマークなんて誰も見たくないんだよねー。どうせ今夜は寝かせないつもりなんだろ?それまで我慢しなよ」

 ジルさんは私に気を利かせて、小声でルーカスに話しているのだろうけど・・・ごめんなさい。全部聞こえてます・・・。

「仕方ないな。こんな綺麗なエリーゼの姿を他の奴には見せたくはないが・・・今は時間が無い。行こうか」

 そう言うと、ルーカスは私に右腕を差し出した。
 私はその腕に自分の手を回し、私達は腕を組んでその時を待った。

 って・・・時間が無いって一体なんなの・・・?
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