愛しのキャットボーイ〜野良猫少年拾いました〜
「じゃあ、取りに帰ろう」
「え」
「春香もついてきて」
「…………どこに?」
取りに、帰る? 帰るってことは家に……?
そうだ、今までこの子は頑なに家族のことを話してくれなかったから、そのうち一緒に住み始めた経緯を含めて挨拶はしたいと思っていたんだけど、それを出来ずにいた。
でもまさか、こんなに突然その機会が訪れるなんて……。
「僕の家、ついてきて」
「もちろん! 挨拶させていただくわ」
「それはしなくていいけど」
「しなくていいわけないでしょ!」
意気込む私を、ユキは面倒くさそうに眺めていた。
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