愛しのキャットボーイ〜野良猫少年拾いました〜
「どうしたの?」
「……繋ぎたくなっちゃった」
「そう。……ねぇ、ユキの親ってどんな人?」
「……」
「私、理由はどうであれ未成年のユキと一緒に住むってなって挨拶もしてなかったから……今日きちんと話すわね」
毎日寝床を転々としていたこの子を連れ帰り、多少なり救ってあげた気持ちになっていたけど、逆に救ってくれたのはこの子だった。
もし、今日ユキの親御さんと会ってユキが家に帰る決断をしたら、寂しいけど私は黙って受け入れよう。それがこの子のため。
ゆっくりとした歩調だったのに、急に右手が引かれる。
振り返るとユキが立ち止まり下を向いていた。