愛しのキャットボーイ〜野良猫少年拾いました〜




「あのね〜、ユキ?……っ」



 意味もわからないし、早くスマホを返して欲しくてユキの顔をもう一度見上げ、息を飲んだ。


 口元は笑っているのに、宝石みたいなエメラルドグリーンの瞳の奥には小さな火が灯っている。
 ただ重なっていただけの手のひらは、いつの間にか指が絡み合っていた。



「触られたりしないように、気を付けてね」
「……え」
「お酒飲むと、ベタベタする人多いから。僕が寝床探してる時、よくそういう光景見たし」
「あぁ、そういうことね」



 そんなに心配をしてくれてたんだ。


 確かにユキは再開したときも、未成年が入ったらダメな店に平然と入ろうとしてたし、お酒の場で男性に女性が絡まれることは良くある事。
 ユキは他の高校生よりもそういう知識はませているのかも。納得して頷く。


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