酔いしれる情緒
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水曜日の朝。
予報では大雨だと言われていたのに起きると雲が一切ない晴天だった。
それはもう「(眩し…)」と目を細めてしまうくらいで、昨日の仕事終わりに駅前の大画面で見た気象予報士の顔が浮かぶ。
あの人、外れたことないのに。
『本日の運勢第1位はーーーふたご座の方!幸運な出来事に巡り会えそう!ラッキーアイテムは…』
そしてその大画面に流れる毎朝恒例の占い結果は1位。
信じてるわけじゃないけど………
その結果のおかげだと思えてしまうような事がこの後起こる。
それはいつものようにコンビニで昼ごはん用のおにぎり2つとお茶を買ったときだった。
店員さんに「あと100円分買うと福引ができる」なんて割としつこく勧められ、言われるがまま帰りに飲む用のコーヒーを追加で購入した。
すると
『おめでとうございまーーーす!1等です!
温泉旅行ペアチケットになります!!』
カバンの中身に温泉旅行のチケットが追加されるという出来事が朝から起こる。
偶然に偶然が重なってもはや怖い。
仕事場に着くと、いつものんびりモードの店主がテキパキと人が変わったように動いているし
「ちょっ…安藤さん!!知ってるっすか?!
──────が!───を発表したみたいっすよ!!!」
いつも通り声が大きい慎二くんは変わらずだけど、
(今日はどこか変な感じ……)
その感覚を身に感じながら働く私。
(あのチケットどうしよう。一緒に行ける人身近にいないしなぁ)
使い道が無いなら誰かに譲ろう。そう思ってエプロンのポケットに今朝貰ったばかりのチケットを入れておいた。
店主とか、慎二くんにでも譲ろうかな。
「安藤さーん!その中身全部ここに置いて!」
「あ、はい」
言われ、目の前にあったダンボールを店主に言われた場所まで持っていく。
これ、さっき届いたばかりの物だよね。
中身は確か……映画化が決まった本だとか言ってたっけ。
だからなのかダンボール自体は相当重く、売れると見込んで大量に仕入れたのだろう。
赤字がずっと続いていた今、これをきっかけに売上を伸ばそうと思っているらしい。