それでも、いきていかなきゃならないんだ。
父親は気に入らないことがあるとすぐ怒鳴り、暴力を振るった。
それも孫の手で。
手足や背中、お尻をよく叩かれた。
私や妹が暴力を振るわれて泣いていても、母親は見て見ぬふり。それどこか、「今日お父さん帰ってくるの遅いから機嫌悪いよ」と助言していた。それでも父が好きだった。

うちに犬が来た。真っ白な子犬。
名前は父がつけた小金丸。
すごく可愛かった。
母が知り合いから貰ってきたのだ。

私は一生懸命世話をした。
おしっこやうんちなどの汚い処理も、頑張った。散歩も毎日行った。
いっぱい可愛がった。

しかし、吠えると父親が孫の手を持ってきて、ハウスにいる小金丸を引っ叩いた。
怖くて「やめて」と言えなかった。言ったら私もきっと殴られるから。母親も同じ気持ちだったのかな。
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