月夜に笑った悪魔 ハロウィン特別編
かぼちゃの形のバスケットは、暁の後ろ……畳の上に置いてある。
今は手に持っていないだけで、ちゃんと持ってきているのに。
「早く出せよ」
私の目の前で立ちどまり、ぎゅっとつかまれた手。
お菓子を取りに行くことを阻止された。
「今取りに行く……!」
取りに行こうとしても離されない手。
私を襖に押し付けて、顔を近づけてくる。
「ダメ。今すぐ出せ」
「……マシュマロ!!暁、甘いの好きでしょ!?マシュマロがあるの!!あそこに!!」
迫られたらいたずらされて、暁のペースになるのは確実。
この状況を変えるために、持ってきたかぼちゃの形のバスケットを指さした。
持ってきたお菓子は、マシュマロ。
暁は甘いものが好きだから食べたいかと思って必死に言う。
すると……
「……ましゅまろ?」
首を傾げた彼。