月夜に笑った悪魔 ハロウィン特別編
頭ぶつける、と思ったが……体が倒れてもどこにも痛みはなく。
至近距離には暁の顔、私の後頭部には彼の大きな手。
……倒れる寸前で、頭を守ってくれた。
って!!
な、なんだ、この状況……!!
「ま、マシュマロ……!!まだあるから食べなよ!!」
ものすごくいたずらされそうな現状。
私は彼の気を逸らすためにマシュマロのことを言うけれど、暁は私から目を逸らさず。
「俺がほしいのはマシュマロよりこっち」
その瞳はまっすぐに私を見つめる。