ときめき、デイドリーム



真生は、マイペースだ。

それは、他人から見れば人のことを全く考えていない、自分本位のもののように思われるかもしれないけれど。


でも、実際のところは全然違う。

マイペースはマイペースでも、他人本位のマイペースな人が、真生だ。



「どうしたの?」



どうかした?ではなくて、どうしたの?という、わたしの異変にきちんと気づいた上で、何かあったのではなく、何があったのか聞いてくれるところが、とても好きだ。

まだ知り合って、1ヶ月も経っていないけれど。


わたしは、真生との縁は永遠に切りたくないと、もう思ってしまっている。



「えっと……わたし、ここにいてもいいのかなって」

「……あー、凛琉、こーゆーワイワイした場所は嫌いだもんね。それに、ほとんど初対面だし。ごめん。配慮が足りてなかった。じゃあ、教室戻ろっか」



すぐに、自分の配慮が足りなかったと気遣ってくれるところも、とても好きだ。


でも、これはわたしの問題であって、真生のせいとは一欠片も思ってない。


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