ときめき、デイドリーム





その後、少し千井くんと千住くんとも話をして、ちょっと仲良くなった、気がする。

……わたしだけ、かもしれないけど。



「じゃー、もうそろそろチャイム鳴るし、教室戻ろっか」

「そうだな。……氷高、次の授業は?」

「えっと、化学だったと思います。実験室で何かするみたいです」

「手元気をつけろよ。火は絶対触んな。特にガスバーナーを使う時なんかは、全部葉柴にしてもらえ。お前は火事を起こす気しかしない」

「あの、私信用なさすぎませんか……?」




あの怖さと綺麗を兼ね備えた千住くんと、真生は至って普通に会話してる。

あれは、コミュ力云々とかよりも、ふたりはもともと知り合いだったから、なんだろうな。


最初はわたしとも会話がぎこちなかったけど、1ヶ月も経てば笑顔で話してくれるようになったし。

たぶん、慣れ、かな。




「忘れ物とかしてないだろうな?」

「してませんよ。……きっと」

「そーゆーとこが信用ねーの。わかる?」



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