すずの短文集
リンネ
 “私”は空へ昇っていく。
 暖かい光に包まれて、あの澄んだ空へ。

 “私”はどんどん若返る。
 空から下を見守り、何十年とも何百年とも分からない月日を過ごしながら。

 “私”は選ぶ。
 優しげな女性。時折体を心配しながら、それでも一人懸命に生きる、その女性を。

 最後に見るのは優しい光。
 “私”は消えていく。すべてを忘れて。

………

 真っ暗な世界の中で感じる、優しい声や温もり。

 そして『私』は、この世界の光を見る……
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