非常勤講師と受験生
そして、今日は終業式。明日からは夏休みでもある。

クラスの男子達は凄く浮かれていて、「一緒に海行こー」だとか、「旅行行く予定なんだよねー」だとか色々騒いでいる。

私とまゆちゃんは、大人しく小林先生が来るのを待った。


【キーンコーンカーンコーン】


そう朝の会のチャイムが鳴ると、ガラガラと音を立てながらドアを開け、小林先生が入って来た。

いつもは、変なデザインのTシャツにジーパンなのに、今日は始業式の時の様なしっかりとしたYシャツにブルーのラインが入っているネクタイ、それにまるで新品の様なスーツで入ってきた。

「小林センセーカッコイー」だとか、「小林センセー結婚しよー」などと小林先生を茶化すような声が上がる中、先生は軽く笑って誤魔化しながら、「俺、結婚を約束してる人いるからなー」と私の方をチラ見しながら言った。

私はそれを見ていて、小林先生と目を合わせていられず、そっぽを向いてしまった。

窓に映った私は、頬が赤っぽくなっており、自分の体温が上がっていくのが分かる。

「先生のバカ………」そう呟いて、私は体育館に行く迄の廊下に皆と一緒に出た。
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