パリの空の下、極上セレブ御曹司の貴方に今日も甘やかされてます
「気にしなくていいよ」

 ラファエルはそう言って立ち上がり、わたしに握手を求めてくれた。
 彼の手を握り、わたしも立ちあがる。

「ごめんなさい」
 もう一度、謝らずにはいられなかった。 
 明日学校で、アデルにもちゃんと話さなきゃ。

「でも、今日一日は付き合ってくれるだろう? 友達として」
「いいの? ラフは、それで」
「うん。振られるのは慣れてるからね」
 それから、人差し指と中指で眼鏡のつるをくいっと上げて、笑顔でこんなことまで言ってくれた。
「その彼と上手くいくといいね」

 あー。なんていい人なんだろう。
 うー、この罪の意識、当分消えないだろうな。
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