パリの空の下、極上セレブ御曹司の貴方に今日も甘やかされてます
 実は、問題は別のところにあった。

 それはルイのお父さん、ジャンがこの婚約に難色を示していること。

 もともと、ルイとわたしの縁組は、お祖母様のたっての希望で強引に進められたもの。
 ジャンは初めから反対していたらしい。

 お祖母さんの喪があけていないということもあるけれど、結局、結婚についてはあれから何の進展もなかった。

 ルイは「心配ないよ。いざとなれば家を出る」とは言ってくれてはいるけれど……


「卒制の香水作りはうまく進んでるのか」
「うーん、実はちょっと行き詰ってて」

 カフェオレ・ボウルを手に、向かいのテーブルにつくと、ルイはわたしに尋ねてきた。
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