パリの空の下、極上セレブ御曹司の貴方に今日も甘やかされてます
「すまん、すまん。ちょっとからかい過ぎたな。薫の反応が面白くてね。つい。悪かったよ」
 そう言って、頭を下げた。

 ……。
 えっとー……
 なんか、拍子抜けしちゃう。
 そんなに素直に謝られたら。
 自分からは絶対謝らないタイプの人かと思ってたのに。

 それに、わたしを見る目つきも変わっている。
 さっきまでの尊大さは息を潜めて、なぜかとても優しくなってるんですけど……

「やはり薫は、わたしの従妹によく似ている」
「従妹?」
「ああ。彼女も喜怒哀楽が激しくて、自分の思うままに行動する子でね。小さいころ、いつもヒヤヒヤさせられていたよ」
「その方、今は?」
「残念ながらもうこの世にはいない。事故だった」
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