初恋マリッジ~エリート外交官の旦那様と極上結婚生活~
夢のような一日が終わったのも束の間。翌日には日本を発ち、飛行機を乗り継いでインド洋にあるモルディブ共和国を訪れる。
目的はもちろん新婚旅行で、長時間のフライトの疲れを癒やすために宿泊先である水上ヴィラのサンデッキにあるジェットバスに入り、頭上に広がる満天の星をふたりで眺める。
「私、こんなにたくさんの星を見るの初めて。直君は?」
「俺も初めてだ。とても綺麗だな」
「うん」
逞しい胸にもたれかかったまま振り返って尋ねると、彼が濡れた髪を無造作に掻き上げる。その手の甲に浮かび上がる血管と、目の前に見える尖った喉仏に男らしさを感じて目が離せない。
「ん? どうした?」
私の熱い視線に気づいた彼が首をかしげる。
普段は恥ずかしくて口にできないような言葉も、ハネムーンならではのロマンティックな雰囲気の中でなら言える。
「私の旦那様は、世界一カッコいいなって思って」
バスタブの中で体を半回転させると、彼の膝の上にのって首に腕を絡ませる。
大胆な言動に驚いた彼の切れ長の目が丸くなる。しかし、それもほんの一瞬ですぐに笑みが戻った。
「俺の奥さんも世界一かわいいよ」
名前ではなく、『旦那様』と『奥さん』と呼び合うのは、結婚式をあげてから一日しか経っていない私たちにはとても新鮮だ。
些細なことをうれしく思いながらふたりで微笑み合い、今にも降り落ちてきそうな星空の下で何度もキスを交わした。