初恋マリッジ~エリート外交官の旦那様と極上結婚生活~
「それで? オーストリアで直君と熱い夜を過ごしたの?」
向かい合った途端、真紀が興味津々に尋ねてくる。
こういうキワどい話題は、女性同士の方が話しやすい。
「まさか! 帰国するときに好きだって気づいたんだから」
「へえ、そうなんだ」
「うん」
三年前、当時付き合っていた彼とすれ違いが原因で別れて以来の恋バナは、なんだか気恥ずかしい。
照れを隠すように、テーブルに並んだ料理を取り分けて口に運ぶ。
「それで、次はいつ会うの?」
「とくに約束はしてない」
「は? なにやってるの? 連絡先は交換したんでしょうね?」
「うん」
「だったら、会いたいって連絡しなくちゃダメじゃない」
真紀がふわふわとした栗色のロングヘアを揺らして熱く語る。
昔から恋愛に積極的で、好きになった相手にグイグイ迫るタイプの彼女の言葉は説得力がある。
くるかわからない連絡をヤキモキして待つのなら、真紀の言う通り、自分から会いたいと伝えるべきだ。
今の時刻は午後七時三十分。食事を終えて家に帰った後だと、遅い時間の連絡になってしまう。
「今から直君に連絡してもいい?」
「もちろん、どうぞ」
真紀の後押しを心強く思い、バッグからスマホを取り出した。
まずは挨拶をして、ウィーンのお礼を伝えたら本題を切り出す。