君は。
「君は……」
「れっれい。黒山 澪…」

「黒山くん…。黒山くんはどうして教室に?」
「あっ…。忘れ物を取りに」少し狼狽えていると
「忘れ物…」皆井さんは独り言のように復唱した。

「うん。皆井さんは?」
「千歳でいいよ。私は待ち合わせだったんだけどドタキャンされちゃった」
「そっか…。あ、さっきの……」この水を渡したかった人かと手元の水をちらりと見やる。
「うん…」皆井さんは少し困ったように眉を動かした。

「あっ…じゃあこれ、ありがとう」俺は思い出したように鍵を顔の前で少し振って皆井さんにお礼を告げた。
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