HONEY BUNNY P!NK♡⦅前編⦆
移ろいゆく季節はあっという間で。

夏の終わりと秋のはじめの狭間で出逢った彼女との縁はまだ切れていない。世間は勝手に次々とやってくる浮かれたイベントに向けて装いを変えていくけれど。俺だけは迷子のように取り残されたまま、動けないでいた。こんなことは今までになかったのに。


「オリどした?最近なんか元気なくね?」
「あー、いや、別に」
「うわ。マジの重症じゃん」


もう突っ込まれることもなくなった、女子力高めの弁当箱を広げるだけ広げて箸の先をじっと見つめていた俺の正面に座り、コンビニの袋をガサガサと漁りだす七生は羨ましいぐらいにいつも通り。


「ハハーン、さては亜未夏さんとなんかあったな?」
 
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