キス魔な御曹司は親友の妹が欲しくて必死です
小さな子って無条件にかわいいな。
寛子さんももうすぐ赤ちゃんが生まれるし、子供っていいなと思う。
もし、智成と私の赤ちゃんができたらきっとかわいいんだろうな。
それこそ目に入れても痛くないくらい、なんて思ってはっとした。
私、智成との将来を考えちゃってるよ。
この先どうなるかなんてわからないのに。
私は肩を竦め苦笑いして仕事に勤しまなくちゃと階段を下りた。
カウンターでひと休みしている寛子さんがお腹を摩っているので声を掛けた。
「寛子さん大丈夫ですか?」
「茉緒ちゃんありがと~。茉緒ちゃんのおかげで楽させてもらってるから大丈夫だよ」
にっこりと笑う寛子さんはいつも元気だ。
寡黙なマスターはそんな寛子さんをいつも気遣ってる。
寛子さんはお腹も大きいし大変だから、そろそろお店を休むはずだったけど今だに近くの家からマスターと通ってる。
家で大人しくしてろとよくマスターがお小言を言うけど、寛子さんは誰もいない家より店にいた方が安心するらしい。
私もひとり寂しく家にいるよりはそうしたいと思う。
もしお店で産気づいてもいいように私も出産について少し勉強した。
マスター以外家族がいない寛子さんは私がいてくれて心強いと言ってくれた。

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