キス魔な御曹司は親友の妹が欲しくて必死です
畏まって挨拶してるお兄ちゃんがなんだか意外で、会社では立派な社会人なのねと感心してしまった。
そしてなによりお兄ちゃんが社長さんに褒められていることが自分のことのようにうれしい。
ついニコニコとお兄ちゃんを見てると智成が不満そうな声で呼んだ。
「茉緒?」
え? なに? と数秒見つめ合う。
その間に白川社長と奥さまが囁き合っていた。
「あらあら、こんな智成初めて見るわね。ねえあなた、成司さんは知っているのかしら?」
「ああ、まだ知らないようだね」
はっとしておふたりを見ると困ったやつだとでも言うように智成を見ていた。
「父にはこれから紹介します。できれば伯父さん伯母さんには俺たちのことを温かく見守ってもらいたい」
「前にも話した通り、私は静観させてもらうよ」
「私は智成くんの味方よ。頑張ってね」
社長さんは静かに言い、奥さまがまるで敵陣に乗り込む戦士を励ますみたいにこ拳を握って応援してくれている。
一体何を頑張るのだろう? と首を傾げてしまった。
社長さんたちとは少し話して別れ、私たち三人は今度はご両親に会うべく、智成に手を引かれ人の間を縫って歩く。
その間に少しでも情報が欲しいと智成に訊いた。
「ねえ、智成のご両親ってどんな人?」
「ああ、まあ、会えばわかる」
その答えにむうっと頬を膨らませると、お兄ちゃんが苦笑いを零す。
もう、お兄ちゃんに訊いた方が早いかと口を開こうとしたら智成が足を止めた。
「あそこにいるのが俺の両親」
智成の指し示す先には、夫婦のような壮年の男女が三組いて、一組は外国人のようで仲良さそうに談笑していた。
その中のひとりの男性がどこかで見たことがありそうで気になってよく見て驚いた。
あの人毎日のようにニュースで見てるよ!?
まさか、智成のお父さんって……。
「そ、総理大臣!?」
そしてなによりお兄ちゃんが社長さんに褒められていることが自分のことのようにうれしい。
ついニコニコとお兄ちゃんを見てると智成が不満そうな声で呼んだ。
「茉緒?」
え? なに? と数秒見つめ合う。
その間に白川社長と奥さまが囁き合っていた。
「あらあら、こんな智成初めて見るわね。ねえあなた、成司さんは知っているのかしら?」
「ああ、まだ知らないようだね」
はっとしておふたりを見ると困ったやつだとでも言うように智成を見ていた。
「父にはこれから紹介します。できれば伯父さん伯母さんには俺たちのことを温かく見守ってもらいたい」
「前にも話した通り、私は静観させてもらうよ」
「私は智成くんの味方よ。頑張ってね」
社長さんは静かに言い、奥さまがまるで敵陣に乗り込む戦士を励ますみたいにこ拳を握って応援してくれている。
一体何を頑張るのだろう? と首を傾げてしまった。
社長さんたちとは少し話して別れ、私たち三人は今度はご両親に会うべく、智成に手を引かれ人の間を縫って歩く。
その間に少しでも情報が欲しいと智成に訊いた。
「ねえ、智成のご両親ってどんな人?」
「ああ、まあ、会えばわかる」
その答えにむうっと頬を膨らませると、お兄ちゃんが苦笑いを零す。
もう、お兄ちゃんに訊いた方が早いかと口を開こうとしたら智成が足を止めた。
「あそこにいるのが俺の両親」
智成の指し示す先には、夫婦のような壮年の男女が三組いて、一組は外国人のようで仲良さそうに談笑していた。
その中のひとりの男性がどこかで見たことがありそうで気になってよく見て驚いた。
あの人毎日のようにニュースで見てるよ!?
まさか、智成のお父さんって……。
「そ、総理大臣!?」