キス魔な御曹司は親友の妹が欲しくて必死です
「智成っ、お、お兄ちゃんは……」
「茉緒、まだ安否はわかっていないんだ。ご家族全員揃ったら改めて説明する。いいか?」
「う、うん」
私の両親とお兄ちゃんに同行してる益木さん家族も今こちらに向かっていてそれまでここで待っていてほしいという。
状況によっては現地に飛ぶかもしれないからと、まるで覚悟をしておけとでも言われてるみたいで不安が増す。
智成は情報収集のために忙しく、すぐにこの部屋から出て行こうとするから思わずスーツの裾を掴んで引き留めてしまった。
「と、智成……」
「ごめん、少しでも早く陸翔が無事か確認するから、ここで待っててくれ」
「そんな、ひとりにしないで」
「茉緒……」
情けない顔をしてるだろう私の顔を見て眉尻を下げる智成を困らせているのはわかっていても、こんな状況でひとりにさせられるのは心細くて縋っりついた。
なのに無情にも有川さんが私たちを引き剥がす。
「風間さん、外務省からお電話です。妹さんには私が付いていますので」
「ああ、わかった。茉緒、傍にいてやれなくてごめん」
「智成」
ぎゅっと一度私を抱き締め智成は出て行ってしまった。
途端に不安が増していく。
お兄ちゃん、大怪我してたらどうしよう。
もしかして、万が一にも死……ううん、そんなの考えたくない。
なにがあってもすぐには駆けつけられない、遠く離れたニューヨークでの安否不明がこんなにも不安を掻き立てる。
どうしても頭の中に最悪の事態が浮かんで血の気が引いた。
「お兄ちゃん、どうしよう……怖い」
祈るように手を組んでぎゅっと目を瞑る。
傍にいてほしい智成もいなくて不安で不安で仕方がなかった。
そんな私を黙って見ていた有川さんの存在を忘れてひとり震えていた。
「茉緒、まだ安否はわかっていないんだ。ご家族全員揃ったら改めて説明する。いいか?」
「う、うん」
私の両親とお兄ちゃんに同行してる益木さん家族も今こちらに向かっていてそれまでここで待っていてほしいという。
状況によっては現地に飛ぶかもしれないからと、まるで覚悟をしておけとでも言われてるみたいで不安が増す。
智成は情報収集のために忙しく、すぐにこの部屋から出て行こうとするから思わずスーツの裾を掴んで引き留めてしまった。
「と、智成……」
「ごめん、少しでも早く陸翔が無事か確認するから、ここで待っててくれ」
「そんな、ひとりにしないで」
「茉緒……」
情けない顔をしてるだろう私の顔を見て眉尻を下げる智成を困らせているのはわかっていても、こんな状況でひとりにさせられるのは心細くて縋っりついた。
なのに無情にも有川さんが私たちを引き剥がす。
「風間さん、外務省からお電話です。妹さんには私が付いていますので」
「ああ、わかった。茉緒、傍にいてやれなくてごめん」
「智成」
ぎゅっと一度私を抱き締め智成は出て行ってしまった。
途端に不安が増していく。
お兄ちゃん、大怪我してたらどうしよう。
もしかして、万が一にも死……ううん、そんなの考えたくない。
なにがあってもすぐには駆けつけられない、遠く離れたニューヨークでの安否不明がこんなにも不安を掻き立てる。
どうしても頭の中に最悪の事態が浮かんで血の気が引いた。
「お兄ちゃん、どうしよう……怖い」
祈るように手を組んでぎゅっと目を瞑る。
傍にいてほしい智成もいなくて不安で不安で仕方がなかった。
そんな私を黙って見ていた有川さんの存在を忘れてひとり震えていた。