キス魔な御曹司は親友の妹が欲しくて必死です
それから間もなく、お兄ちゃんと同行していた益木さんのご両親と、遅れて私の両親も駆けつけた。
両親と数カ月ぶりの再会にひとりじゃない安堵感があったけど、沈痛な面持ちの両親に再会を喜んでいる場合ではなかった。
関係者が揃ったところで、白川社長が直に説明をしに来てくれた。
智成は白川社長のサポートの為か資料を片手に後ろに控えていた。
白川社長の説明によると。お兄ちゃんたちは取引先から帰る途中で爆破テロに巻き込まれ今も連絡が取れない状況だという。
死傷者が多数おり運ばれた病院にも連絡を取っているが邦人の負傷者は数名確認取れているがお兄ちゃんと益木さんの情報はないという。
人通りの多いメイン道路でのテロだったためかなりの混乱が生じておりすべての犠牲者が判明するまで時間がかかるようだ。
会議室のモニターでニュースを映し出してもらい、映像を見せてもらって血の気が引いた。
ビルの一部が破壊され、近くに停まっていただろう車はひっくり返っていたり燃えていたり、バッグや靴などその場に居合わせた犠牲者の私物が割れたガラスやがれきと共に散乱していた。
こんなところにもしお兄ちゃんたちもいたとしたらひとたまりもないだろう。
悪い想像しかできなくて私とお母さんは青い顔をして無意識に手を取り合った。
お父さんは私たちの肩を持ち「大丈夫だ、陸翔は必ず生きている」と気丈に私たちを励ましてくれる。
説明を終えた白川社長たちが出て行った後も会議室の中は重苦しい空気で、ただ時間だけが過ぎていった。
その間両親と益木さんのご両親はぽつりぽつりと会話をし励まし合っていた。
私はひとり黙ったまま後悔の渦の中へと落ちていく。
お兄ちゃんが出張に行く前喧嘩したまま、笑顔で送り出すこともしなかったことが悔やまれて仕方がない。このまま話せなくなったらどうしようっていう不安が的中してしまった。
まさか、本当にこのまま元気なお兄ちゃんに逢えないなんてことがあったらどうしよう。
優しい大好きなはずのお兄ちゃんになんてことをしてしまったのだと悔いばかりが胸を巣食い張り裂けそうに痛い。
変な意地を張らずにちゃんとお兄ちゃんと話せばよかった。
< 193 / 252 >

この作品をシェア

pagetop