キス魔な御曹司は親友の妹が欲しくて必死です
智成が乗ってきた会社の車はワンボックスで全員乗れる。
益木さんたちが待ってる場所まで移動して皆が乗り込むとき、私は益木さんの手を引っ張り車から離れると挨拶した。
「あの、改めまして、八坂陸翔の妹の茉緒です」
「あ、はい。益木彩也子です。この度は……」
「あのっ、益木さん」
「は、はい」
また、お兄ちゃんが怪我したことを謝りそうな雰囲気だった益木さんを遮った。
「お兄ちゃんチャラそうに見えるけど根は真面目なんです。妹の私にも優しいし、好きな人のことはとことん大事にしますし、浮気なんてする人じゃありません。お兄ちゃんのこと、少しでも好きな要素があるなら考えてあげてくれませんか?」
「え、あの」
まくし立てる私に口をパクパクさせて頬を染める益木さんはかわいらしくて、さすがお兄ちゃんが見初めた人だと思う。
車に乗り込んだ後はこの短い時間で仲良くなった益木さん家族とうちの両親が楽しく会話してる中、考え事をしてるのか終始無言だった益木さんをちらりと見て余計なことしてしまったかな? と思ったけど、妹としてやっぱり言わずにはいられなかった。
益木さんにお兄ちゃんのこと面倒な妹がいるなと思われてたらどうしよう。
「茉緒、お兄ちゃんのことよろしくね」
「うん」
益木さんに再び話しかける勇気のないまま益木さん家族と先に別れ、お父さんとお母さんとも駅でお別れ。
数か月振りの再会があっという間に終わって少し寂しいけど、お父さんたちも急遽仕事を休んできてるから遊んで帰るわけにもいかない。
少しは実家に帰ってきなさいとお小言をもらいつつ今度はちゃんと休みを取って遊びに来るねと言って両親は帰って行った。
< 200 / 252 >

この作品をシェア

pagetop