ハニー、俺の隣に戻っておいで
「ハニー、こいつの言うことなんか聞くなよ。 おまえしかいないに決まってるだろ」
アドリアンは側でおろおろしている女性を慰め、怒ってニーナを睨みつけると、彼女と一緒に立ち去ってしまった。もうニーナには会いたくないのだ。

アドリアンが立ち去るのを見るとジェームズは弱々しく肩をすくめ、「先輩、恨みでもあるのか?」と尋ねた。

アドリアンはウサギのように臆病で、人を怒らせるような真似はしないため、 ニーナと喧嘩するなど考えられなかった。

ニーナは答える気もなく黙っていたが、それは頷いたのも同然だった。

アドリアンは部屋を出るや否やジョンに出くわしたが、 女性を宥めながらもジョンに告げ口するのを忘れなかった。
「シーさん、おまえの女、おまえの甥と一緒にビリヤードルームにいるぞ」
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