ハニー、俺の隣に戻っておいで
そしてしばらくの間、皆それぞれ、あれこれ勘ぐったり考えたりしていた。 有力な人々と知り合うチャンスを逃してなるものかと考える人もあれば、名高いシー氏を 招待することができるとはジュ氏もなかなかやるじゃないかと見直す人もいた 。 この話が広まれば、 ジュ氏のビジネスはよりスムーズに進むことだろう。

「はじめまして、 シーさん」

「こちらにお座りください、 シーさん」

誰もがジョンに敬意を表し、 道を譲り、彼が席に着くのを待つ。

その間中、ニーナはずっとアダムズの背後に隠れていた。 今の所まだジョンの顔すら見ることができなかったが、結局すべて彼の仕業だとわかったので刺し殺してやりたいと思っていた。

「わかった」 ジョンは右の方に歩いてゆくとニーナの反対側に腰を下ろす。

頭を上げて目の前にニーナがいるのを目にすると、ジョンは気が狂いそうだった。

本当に来やがった! 友達のためならなんでもするのか、こいつは? そう思っていたのだ。
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