ハニー、俺の隣に戻っておいで
ジョンがドアを開けるや否や、真ん前で棒を構えている女の子が目に入ってきた。 彼は思わず眉をひそめ、彼女が何しにやってたのか怪訝に思ったが。

ふと目をやるとニーナが横に立っているのが見えたので、おどけたようにそちらを見つめた。

一方、ニーナはジョンのいたずらっぽい視線に出くわすと、びっくりして驚きを隠せなかった。

一瞬みんな黙り込む。

一体何が起きているのか?

ニーナは不意に身体を強張らせ、その場から根が生えたように動かないミシェルを見つめていた。 彼女はまだ棒を手にしたまま動けずにいた。

「何してるの?」 ニーナはいたずらっぽい声でミシェルを叱咤すると、目配せした。

一体どうしてこんな重大な場面で間違いを犯してしまったのだろう? えっ!?

「なんなの? 私……」 ミシェルが反応するにはもう遅かった。

彼女は目の前に立っている背の高いがっしりした男を見上げたが、その男の力強い雰囲気に気圧されてしまった。

しかしその男は断じてジェームズではない。

「おまえの夫はやっぱり不能なんだな。 俺と寝るのを待ちきれなくて来ちゃったんだろ?」 ジョンは、ずるそうにニヤリとしたまま、たくみな工芸品を吟味するような視線でニーナをまだ見つめていた。 買うかどうか、まだ議論の余地があるというわけだ。

面と向かってジョンに挑発されたニーナは、まるで役に立たないミシェルを猛然と睨みつけ、あっという間に彼女の手から棒を取り上げた。

彼のやったことは、一言で言うと、ニーナの我慢の限度を超えていたのだ。 彼女の処女を奪ったのもこの男だし、 それどころか、彼のせいで二千万ドル払う羽目になりかけている。 おまけに、証拠のビデオまで撮ったと来ている。

ニーナは仕返しを決心した。

「何待ってるの? あいつを叩きのめしてやるんじゃないの!?」
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