ハニー、俺の隣に戻っておいで
それにもかかわらず、グー教授は彼女を気に入っていた。 彼はニーナに才能があると吹聴し、ちゃんと指導すれば並外れた才能を必ずや発揮するはずだと得意げに話していたのだ。

ジェイソンがニーナを思い出したもう一つの理由は、キャンパス・フォーラムのごく最近の見出しのせいだった。

しかし、ニーナの売春の相手が他ならぬジョンなどということがあるだろうか?

彼はそんなことの対価にお金を払うような種類の人間ではなさそうだが。

ジェイソンは頭の中で情報を整理しようとしたが、それぞれの要素がどう繋がりあっているのか理解できずにいた。 そんなわけで、成り行きを見守るしか手がなかった。

「おじさん、ニーナって一体誰の話をしているんですか? ニーナなんて知らないんですが。俺が送ったのはフランシスっていう二十五歳の女の子ですよ?ちゃんと身辺調査もしました。処女だけど学生ではありません」

「フランシス? 学生じゃないって?」
ジョンは眉をひそめて集中し、あの日の出来事についてじっくりと考えて、誰かに仕掛けたと推測した。

ジョンはニーナに殴られたことを思い出すと、苛立たしさに視線を泳がせるばかりなのだ。 なんども首を振って彼女のイメージを心から追い出そうとするが、結局、さっと話題を変えて言った。

「じゃあ、今日のはどういうことか言ってみろ。あいつら、浮気の現場を押さえるとか言っていたが」

ジョンは眉をひそめた。あの時二人が何を話しているのか、はっきり聞いていたのだ。ニーナは浮気の現場を押さえるために引っ張り込まれたらしい。

「最近どの子を裏切ったんだ、おい?」
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