政略結婚のはずですが?~極甘御曹司のマイフェアレディ計画~
零士さんの声はからかっているというよりも、少し怒っているようだった。

「し、しませんよ!
キスを許していいのは零士さんだけです」

「それは光栄だ」

軽い調子で言い、今度は額に口付けを落とす。

「さて。
もっと清華を可愛がりたいが、仕事を片付けなければならなくてな。
わるい」

零士さんは私を膝から降ろし、立ち上がった。

「また遅くまでかかるんですか……?」

「なるべく早く終わらせるが、清華は先に寝ていていいからな」

見上げた私の髪を撫で、あやすように唇を額に触れさせる。

「はい……」

「そんな顔をするな、悪いことをしている気になる」

零士さんは苦笑いしているが、私は心配なんですよ。

「おやすみ、清華」

「無理はしないでくださいね」

もう一度、額に口付けして零士さんはリビングを出ていった。

「私も少しだけ、作業しようかな……」

できれば零士さんの仕事が終わるのを待っていたい。
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