政略結婚のはずですが?~極甘御曹司のマイフェアレディ計画~
「遅いから心配……臭い」

「……え?」

ぼそりと呟かれた言葉は、よく聞き取れない。

「こい!」

しかし聞き返す間もなく、零士さんから強く手を引っ張られた。

「零士さん!?」

戸惑う私を無視して、零士さんは私を引きずるように歩いていく。
エレベーターの中で零士さんは私の手首を掴んだまま、無言でドアを睨んでいた。

「……遅くなってごめんなさい」

謝ったけれど返事はない。

「連絡もしなくてごめんなさい」

五階に着き、ドアが開く。
零士さんは黙ったまま、また私の手を引っ張って家の中に入っていく。
半ば投げ捨てるように浴室へ入れられた。

「臭いんだよ!」

「きゃっ!」

いきなり頭からシャワーをかけられ、悲鳴が出る。

「なに、他の男のにおい、つけてきてるんだ!」

「えっ、ヤダ、零士さん。
ヤダ!」

抵抗しても、零士さんは嫌がる私の服を脱がしていく。
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