政略結婚のはずですが?~極甘御曹司のマイフェアレディ計画~
私だって正直に言えば零士さんに同意だ。
しかし開かなければ周りが納得しないので仕方ない。

「まあいい。
これが終われば……」

零士さんは私と目を合わせ、意味深に右の口端を僅かに持ち上げた。
途端に顔がぼっ!と熱くなり、赤くなった顔を見られたくなくて俯く。

……いよいよ、なんだよね。

今日は披露宴が終わったらそのまま、二度目の新婚旅行へ行く予定になっている。
そこでハジメテをもらうよと零士さんに今朝、言われた。

ある意味、精神修行のような披露宴が終わり、どちらの家の両親にもお礼を言って空港へ向かう。
今回の移動もプライベートジェットだ。
二回目の新婚旅行はヨーロッパ二週間。
パリを皮切りに各地を回る予定になっている。

「新婚旅行が二度だなんて、贅沢です」

「そうか?
俺は何度だって行きたい。
ただし、相手は清華限定だけどな」

私を抱き締め、零士さんが軽く口付けする。
私も零士さんとだったら、何度でも行きたいかも。

「今日は疲れただろ、俺も眠い」

「そうですね、おやすみなさい」

「おやすみ、清華」

ベッドを用意して横になり、キスをもらって目を閉じる。
目が覚めてパリに着いたら……。
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