今さら好きだと言いだせない
 金曜日には気になったことはすべて尋ねると心に決めて、翌日からは切り替えて仕事に集中した。
 迷いがなくなったせいか、モヤモヤしたり悩んだりしなくなった気がする。
 仕事が忙しいのもあって夜もぐっすり眠れるし、睡眠時間をたっぷり取っているので翌朝の肌の調子もいい。
 元々私はこうだったのだ。食べて寝て元気に働くのが性に合っている。
 だけど金曜日の朝に出社したときには、やっぱりどうしても緊張が走った。

「南帆、おはよう」

 いつも通り燈子と朝の挨拶を交わしたあと、今夜芹沢くんと話をする旨を彼女にヒソヒソと伝えた。

「ついに告白するの?」
「……そうしたいけど。話の流れ次第では、その前にフラれるかもだよね」
「悪いほうに考えすぎだよ。もしも南帆の本気の告白を断るようだったら、私が文句言ってやるわ!」

 私を元気づけようとして、燈子がおどけるように胸の前で力強く拳を握りしめた。
 彼女には後日結果を報告すると約束して、仕事に取り掛かる。

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