今さら好きだと言いだせない
「転職だって。あ、それと、結婚もするらしい」
「えぇ?!」
「山本さん情報だから間違いない。あの人、早耳だから」
先月、山本さんが社員食堂で私たちに声をかけてきたとき、『ほかにもちょっとあって』と言葉を濁していたのはこの件だったそうだ。
徳永さんが辞めるとなれば後任に仕事を引き継がなくてはいけないし、年末なのもあって余計にバタバタしたのだとか。
転職も驚きだけれど、彼が結婚を決めたことのほうが私には衝撃だった。
『二股は嫌なんだよね?』
『だったら俺、横浜の彼女と別れるから。君も芹沢と別れて俺と付き合って?』
あの発言はいったいなんだったのだろう。
あのときの徳永さんの目は真剣だったように見えた。丸っきり思いつきや冗談だったとは考えにくいのだけれど。
私の心は芹沢くんでいっぱいだから悩む必要もないのだし、もうどっちでもいい。徳永さんが結婚してもしなくても、私には関係ない。
ポンッという音と共に、エレベーターが一階に到着して扉が開いた。
芹沢くんの後ろに続いて歩き出したところで、私たちは自然と足を止めてしまう。
「えぇ?!」
「山本さん情報だから間違いない。あの人、早耳だから」
先月、山本さんが社員食堂で私たちに声をかけてきたとき、『ほかにもちょっとあって』と言葉を濁していたのはこの件だったそうだ。
徳永さんが辞めるとなれば後任に仕事を引き継がなくてはいけないし、年末なのもあって余計にバタバタしたのだとか。
転職も驚きだけれど、彼が結婚を決めたことのほうが私には衝撃だった。
『二股は嫌なんだよね?』
『だったら俺、横浜の彼女と別れるから。君も芹沢と別れて俺と付き合って?』
あの発言はいったいなんだったのだろう。
あのときの徳永さんの目は真剣だったように見えた。丸っきり思いつきや冗談だったとは考えにくいのだけれど。
私の心は芹沢くんでいっぱいだから悩む必要もないのだし、もうどっちでもいい。徳永さんが結婚してもしなくても、私には関係ない。
ポンッという音と共に、エレベーターが一階に到着して扉が開いた。
芹沢くんの後ろに続いて歩き出したところで、私たちは自然と足を止めてしまう。