今さら好きだと言いだせない
「廣中と一緒だって言っても、女ふたりで飢えたオオカミの中に飛び込むつもりだったのか?」
「飢えたオオカミって……」
「営業部は高木さんみたいな男ばっかりなのに」
今のは決して良い意味で発言していないのはわかるので、双方に対して失礼だと思いつつも笑ってしまう。
「徳永さんが幹事だから大丈夫だよ」
「えらく信用してるんだな」
彼の声が冷たくなったような気がして、一瞬ひるんでしまった。
たしかに高木さんより徳永さんのほうが危険度は低いと思っている。だけどそれを“信用”と称していいのかどうか……。
私が男性社員の中で人間的に一番信用しているのは芹沢くんなのに。
「明日はすぐ帰ります」
「ん。それがいい」
「一緒に行くって言ってくれて、ありがとう」
隣に並んで立つ彼をそっと見上げると、少し照れたように口元が綻んでいた。
「俺、一応彼氏だからな? わかってる?」
「うん、わかってる!」
念押しされた恥ずかしさから顔を赤くしてしまう。
いや……今のは、芹沢くんを本物の恋人かのように錯覚したせいかもしれない。私たちはあくまで偽物カップルなのに。
「飢えたオオカミって……」
「営業部は高木さんみたいな男ばっかりなのに」
今のは決して良い意味で発言していないのはわかるので、双方に対して失礼だと思いつつも笑ってしまう。
「徳永さんが幹事だから大丈夫だよ」
「えらく信用してるんだな」
彼の声が冷たくなったような気がして、一瞬ひるんでしまった。
たしかに高木さんより徳永さんのほうが危険度は低いと思っている。だけどそれを“信用”と称していいのかどうか……。
私が男性社員の中で人間的に一番信用しているのは芹沢くんなのに。
「明日はすぐ帰ります」
「ん。それがいい」
「一緒に行くって言ってくれて、ありがとう」
隣に並んで立つ彼をそっと見上げると、少し照れたように口元が綻んでいた。
「俺、一応彼氏だからな? わかってる?」
「うん、わかってる!」
念押しされた恥ずかしさから顔を赤くしてしまう。
いや……今のは、芹沢くんを本物の恋人かのように錯覚したせいかもしれない。私たちはあくまで偽物カップルなのに。