執事的な同居人
「ねぇ、何買ったの?こんな大荷物」
私がアレを買いに一旦颯太さんと離れたあと、
颯太さんの元に戻ってきた頃には、さっきまでなかった大量の荷物。
「今日の夕食の材料、とかですかね」
ガサリとスーパーの袋を両手いっぱいに持つ颯太さんは、
少し重そうに顔を歪めてた。
「それにしても、多すぎない?」
「これだけあれば3日、4日はもつでしょうね」
いや、もっといけるよ、それ。
「かして」
「はい」っと手を差し出して、
半分持つよとアピール。
だけど颯太さんは首を横に振るだけ。
「車、目の前にありますので。
大丈夫ですよ、このくらい」
ガサガサとスーパーの袋が擦れ合う音。
本当に大丈夫なのか怪しいが、
まあ大丈夫だと言い切るから大丈夫なのだろう。
「さあ、帰りましょうか」
「うん」
外に出た頃にはもう、
辺りはすっかり暗くなっており、
駐車場では車のライトだけがピカピカと少し綺麗に光っていた。