執事的な同居人
「ふ、ふくっっ!!なんで着てないのっ!?」
パッと前を向く。
だけど鏡にも映っているわけで
ひゃぁぁぁ!!!
脳内はパニック寸前。
「ああ、すいません。
家ではいつもこんな格好ですから、そのせいでしょう」
「あ!そーなんだ!へー!
……家?」
その言葉に、違和感を感じた。
「家って、どこの?」
ここしか居場所ないって言ってなかった?
だからここに来たんじゃなかったっけ。
「………ああ、実家ですよ」
怪しげに颯太さんを見つめていれば、気づいたのかそう言う。
「あ、そっか。実家か!
……じゃあ実家に住めば良か「ちょっとすみません」
話の途中に、颯太さんは私を押しのけて前に出た。
ジャーっと水の音。
……まあ、いっか。