執事的な同居人
「ロングヘア、似合ってますよ」
「え?あ、ありがとう…」
私の髪の毛をぐしゃぐしゃにして、満足そうな表情を浮かばせる颯太さん。
ふっ、と鼻で笑えば
ポンポンと私の頭を軽く叩いて、洗面所から出て行った。
あーもう…
髪の毛ぐしゃぐしゃ。
「ふあ~…。ねっむ」
髪の毛を乾かし終えて洗面所を出ると
電気は消したのか、居間の方は暗くなっている。
颯太さん、もう寝た?
暗い居間をひょっこりと覗いてみるが、…いなさそうだ。
「喉乾いたなぁ」
その確認を終えると、居間の電気をパチンとつけた。
と。
「ぎゃっ!!」
足に変な物がぶつかり、それにつまずいてヨロリと身体が傾く。
近くにあった机にバンッ!と手をつき身体を支えなおした。
「あっぶなぁ……」
つまずいたそれに目線を向ければ
「は?ちょ、なにしてんの?そんなところで」
ごろりと床に寝そべる颯太さんの姿がそこにあった。