あの日に交わした約束は、思い出の場所で。
今日は遥が隣にいるから。

昔から、遥と二人で見る景色は、どんなにちっぽけなものだって心に深く刻まれる。

きっと、「なにを見るか」ではなくて「誰と見るか」だ。

大切な人がそばにいてくれるだけで、見える景色がこんなにも変わってしまう。

「たしかに。なんか綺麗に見えるな。この公園の殺風景に目が慣れたせいかも」

そう言って笑う遥の横顔を見つめた。

夕日に染められた整った横顔に、思わず見惚れてしまいそうになる。

遥の隣にいられた頃は、毎日のようにこの横顔を独り占めしていた。

今はもう、そんなこと……

今だけじゃない、これから先もだ。


『必ず戻ってくる。そしたら奈央を迎えに行く』

遥があれをどういう意味で言ったのかはわからないけれど、「あの日の約束」は、最初からなかったことにすればいい。

だから、肝心なことはなにも聞かない。

近づきすぎず離れすぎず、適度な距離を保っていればいい。


——私と遥は、ただの「幼なじみ」だから。
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