あの日に交わした約束は、思い出の場所で。
「改札まで見送りしてくる」

お母さんにそう言って私も車を降りる。


気まずい雰囲気で改札までの階段を上がった。

「結人くん、今日はありがとね」

もとは結人くんの買い物に付き合うだけの予定だったのに、私のほうがいろいろと連れまわしてしまった。

「いやこちらこそ。妹のプレゼント買えてよかった。平田のお母さんにもよろしく伝えておいて」

「わかった。お母さんがいろいろと困らせるようなこと言ってごめんね」

「全然。平田のお母さん面白いね」

「そうかなぁ?悪い人じゃないんだけどちょっとおせっかいで。彼氏じゃないってちゃんと誤解解いておくから」

少し間があったから、なんか変なこと言っちゃったかなと不安になった。


「……誤解、ね」

「えっ?」

そう呟いて少し曇った表情をした結人くんが気になった。

「あ、ごめん。なんでもないわ。ストラップ、見つかるといいな」

「あぁうん。ありがとう」

「……じゃあ、年明け学校で」

「うん、また三学期ね」

結人くんの背中を見送って、私のイブの予定はこれで終わってしまった。
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