アンドロイド・ニューワールド
しかし。

クラスメイト達の反応は、私が想像していたものとは違っていました。

てっきり、「成程、まともな人だ」と納得してもらえると思っていたのですが。

クラスメイト達は、大半が唖然としていました。

更に一部の生徒は、耐えきれないという風に吹き出したり、笑いを噛み殺している生徒もいます。

何か面白いものでも見えたのでしょうか。

そして、佐賀来教師もまた、引き攣ったような顔になっていました。

虫歯でも痛むのでしょうか。

私は、この上なくまともに自己紹介したのですが…。

何故か、思っていた反応とは違っていて、困ります。

すると。

「と、とにかく…皆、仲良くしてあげてね」

と、佐賀来教師は言いました。

何が「とにかく」なのでしょうか。

しかし、人間の気持ちを理解する為に、クラスメイトに仲良くしてもらうことは大切です。

「それと、湯野(ゆの)さん」

「は、はい」

と、佐賀来教師は、クラスメイトの一人の名前を呼びました。

教室の中央の方にいる女子生徒が、返事をしました。

名前を呼ばれて返事をしたということは、あの女子生徒が、湯野さんなのでしょう。

「久露花さんの席は、あなたの隣だから。クラス委員のあなたが、色々教えてあげてね」

「は、はい…。分かりました」

と、湯野さんは言いました。

どうやら私は、あの湯野さんという方の、隣の席に座るそうです。

確かによく見たら、彼女の隣の席は、空席が用意されています。

あれは、私の為に用意された席なのでしょう。

つまり、私に座る席を選択する権利はないということです。

私が昔見たアニメや漫画では、転入生には「空いてる席に座ってください」と言われるのが鉄板でしたが。

普通に考えたら、常に空席が用意されている教室なんて、存在しないのではないのではないか、と疑問に思っていたものです。

やはり、実際には常時空いている席なんてないのですね。

何はともあれ、自分の座る席があって良かったです。

それも、クラス委員の方の隣とは。

大変粋な計らいで、感謝です。

分からないことがあれば、彼女に聞くとしましょう。

私は、支給された学生鞄を持って、湯野さんの隣に向かいました。

「どうぞ宜しくお願いします」

と、私は言いました。

やはり、これからお世話になる方ですから。

挨拶しておくのは大事でしょう。

すると。

「よ、宜しく…」

と、湯野さんは言いました。

彼女が何故か微妙な笑顔を浮かべているのは、きっと私達が初対面だからでしょう。

こうして、私の自己紹介は無事終了し。

星屑学園一年Aクラスに、温かく迎え入れられたのでした。
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