傾国の姫君
「美味しいよ!そこのお姉さん、買ってって!」

照葉さんは、軽快に野菜を売っていく。

夕方になる頃には、二人で持って来た野菜も、売る切れていた。

「さすがだね、照葉さん。」

「心我も、時期に売れるようになるよ。」

そして私は、照葉さんに少しのお金を渡した。

「いいよ、お金は。」

「ううん。少しは受け取って。そうしなきゃ、私の気が済まないんだ。」

「そうかい?じゃあ、受け取っておくね。」

照葉さんは、そう言うとお金を、袋の中に入れた。

「さあ、帰ろうか。旦那が待っているからね。」

すると、照葉さんはハッとした。

「ごめんよ。」

「ああ、いいの。いつまでも、亡くした家族を悲しんでいたら、生きていけないから。」


そう。半年経って、私は少しだけ元気が出た。

家族を殺した秦王の事も、忘れるようにした。

もうあいつらには、会う事はないだろうから。

慶文と正英の墓を見ながら、私は一人で暮らしていこうと、決めたんだ。
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