独占欲つよめ王子は、私だけをとくべつ甘く溺愛したい。



放課後になって、教室は私以外だれもいなくなる。



「えーっと、4限は音楽だったかな?」



今日の日直は私なのだ。



1日をふり返りながら、日誌の空欄(くうらん)をうめていく。



思ったより、けっこう時間がかかるなぁ。



意外と前の時間割を覚えていないものだ。



「うん、これでおっけいかな」



日誌を先生の机に置く。



あとは窓の戸じまりをしなきゃ。



「わっ、てんとう虫……」



窓を閉めようとしたら、てんとう虫を見つける。



すみっこを小さい体でひっしに歩いている姿に、なんだか愛らしく感じてしまった。



ふふ、虫さんも頑張ってるんだなぁ。
私も頑張らないと。



小さな命に勇気をもらった気がする。



< 442 / 516 >

この作品をシェア

pagetop