独占欲つよめ王子は、私だけをとくべつ甘く溺愛したい。
放課後になって、教室は私以外だれもいなくなる。
「えーっと、4限は音楽だったかな?」
今日の日直は私なのだ。
1日をふり返りながら、日誌の空欄をうめていく。
思ったより、けっこう時間がかかるなぁ。
意外と前の時間割を覚えていないものだ。
「うん、これでおっけいかな」
日誌を先生の机に置く。
あとは窓の戸じまりをしなきゃ。
「わっ、てんとう虫……」
窓を閉めようとしたら、てんとう虫を見つける。
すみっこを小さい体でひっしに歩いている姿に、なんだか愛らしく感じてしまった。
ふふ、虫さんも頑張ってるんだなぁ。
私も頑張らないと。
小さな命に勇気をもらった気がする。