独占欲つよめ王子は、私だけをとくべつ甘く溺愛したい。




巻き髪にまっかなグロスをテカらせ、上目づかいで見てくる。



なんとなくあざとさを感じ、僕はそっけなく言葉を返す。



「……ご心配どうも」



絡まれたらめんどくさいし、他の女子にはまったく興味がわかない。



僕を夢中にさせるのは、いつだって結々だけだ。



「わ、顔つめたーい。今からカフェで温かい飲み物でも飲みません?」



それでも女子は笑顔のまま、なれなれしくほっぺたをさわってくる。



いらいらしながら、僕はすばやくその手を振りはらった。



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