おどおど姫と甘い恋♡



「雑用係、集まってなんか作ってるのかな?」

「あー、ミサンガじゃない?」

「……。」



ほぼ無意識に、顔が上がった。


なんか作ってるのかな?って聞いた菊の隣にはいつの間にか弟がいて、俺らの正面には机をくっつけてる雑用係の3人がいる。


くっついてる机には、1人分の席が空いている。


ななちゃんの分だってわかるのは、置いてあるリュックが、確かななちゃんのだから。



……リュックまでチェックして、俺、まじでストーカーみたい?



「へえ、ミサンガか」



菊が雑用係のことを気にするのは、初めて……じゃない。


ななちゃんの友達のことかわいいって、前に言ってたから。


知らない間に、菊の恋が始まってるのかもしれない。


いや、始まってないかもだけど、でも菊が特定の女の子をかわいいって言うのを初めて聞いた気がする。


俺なんかの応援がなくても菊は上手くやるんだろうけど、なんかあったらいつでも言えよって思いを込めて、菊を見上げた、……ら。



思いかけず……菊の弟、きくりんと目が合った。


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