若旦那様の溺愛は、焦れったくて、時々激しい~お見合いから始まる独占契約~
彼からの現状報告に対し、「食事会はとっくに終わっているのに?」と思わず口から文句が出た。
いや、まだ何らかの仕事が残っているのかもしれない。
挫けかけた気持ちを立て直すべく前向きに考えようとするけれど、やっぱりその可能性は低く思えてため息が出た。
タクシーには渡瀬先輩も乗っていたのだから、今も彼女と一緒にいると考えた方が自然だ。
「プライベートではふたりっきりで会わないって言っていたじゃない」
蓮さんを信じたいのに、不安は大きくなるばかり。
仮に仕事上でパートナーであったとしても、夫婦のようだったと言われるほどべったりする必要などないはず。
やっぱり蓮さんは渡瀬先輩と仲が良い。
今もふたりっきりで、さっきのように寄り添っているのかもと想像すれば怖くなる。
お酒が入っていたら蓮さんでも羽目を外してしまうかもと、気持ちが重くなりかけて慌てて邪念を追い払う。
気分転換すべくお風呂に入った後、ファッション誌を読んだりしつつも、気が付けば新しいメッセージが届いていないかスマホを確認してしまう。